世界とガラパゴス
6月8日、ニュージーランドのアーダーン首相は、国内の新型コロナウイルス感染者が0になったと発表したそうです。同国では、3月25日から、厳格なロックダウンを行い、根絶を目指して防疫施策を行ってきました。
ここまでの道のりに2か月以上を費やしており、人口規模を考えても、自分の正直な感想は「多くの時間がかかるんだな」でした。
この間、ニュージーランド国内GDPのおよそ10%に相当する同国観光産業は壊滅的なダメージを受けていますが、世界的にはまだまだ感染拡大が続いており、外国人観光客の受け入れが可能になるのは、ワクチンの普及を待たねばなりません。
ただ、国内の安全は確認されていますし、水際対策を緩めなければ、第二波、第三波が猛威を振るう可能性は低いと考えられるため、同国の国内観光需要は、堅調に推移することが見込まれます。人口5百万人と、人口規模に大きな差はありますが、中途半端な対策しかとれない日本と、同国の観光産業が今後どう生き残っていくのかを対比させながら見ていくと、色々な気づきが得られるかもしれません。
また、世界中に人種差別に対する抗議の動きが広がり、ニュージーランドでも千人規模のデモが起きたとの報道がありました。
同国の防疫対策は、政府と国民との信頼関係があってこそ成し遂げられたものだと思います。
そのニュージーランドでもこうした動きがあることを見ると、防疫対策で世界中の人々が何らかの苦労を味わっている状況にあって、今後も世界中の様々な潜在的な問題が、顕在化する可能性があるなと、率直に思いました。
デモ自体は終息の方向にむかっているようにも見えますが、まだまだ尾を引きそうなきがします。
人種差別問題という火種を抱えたアメリカと、香港という火種が燻り続ける中国。様々なところに爆弾がしかけられたかのような世界情勢。
株式市場が暴落したりすると、こうした世界情勢と紐づいて、ついつい悲観的に考えがちですが、世界が今どのように動いているのかを、ミクロ、マクロ両方の目線で見ていく癖をつけることで、いざという時にも冷静な対応ができるよう、心がけていきたいです。
それにしても、表向きは政情不安と無縁の日本は、ジャパニーズミラクルと呼ばれるコロナ罹患状況といい、世界的に特異なポジションにいますねー。まさにガラパゴス。