ばくそくのカメ 資産投資録

少しずつだけど、歩みをとめない、爆速のカメを目指して。自分が有する資産(時間、感情、株)の投資に関する記録を残していきます。

ピープル(7865)について

自転車へのあこがれを抱き、世のお兄さんお姉さんのように、乗りたいと意欲を募らせた我が子のために、「ケッターサイクル」の14インチを先日購入いたしました。このことを契機として、販売会社である「ピープル」について調べてみましたので、ここに記したいと思います。

 

「ケッターサイクル」とは?

補助輪パスして、自転車イチバン乗りをキャッチコピーに販売している、足けりバイクからペダルを装着すると自転車になる乗り物が、ケッターサイクルです。

(宣伝するつもりはありませんが、こうしたものです→https://www.people-kk.co.jp/vehicle/bike/ketta-cycle.html

 

足けりバイクといえば、「ストライダー」が一番有名かと思います。上の子が3歳くらいの時に我が家でも購入し、5歳前くらいまで楽しそうに乗っていました。

下の子は、そのお下がりを意気揚々と乗っていましたが、上の子が自転車を乗り回しているのを見て、「私も自転車がいい」と乗り換えを希望するようになりました。

 

■購入ポイント

上の子の場合、そこから補助輪自転車を経て、自転車に移行したのですが、下の子は体が小さいせいか、上の子が使っていた補助輪付き自転車をうまく扱うことができませんでした。そこで白羽の矢が立ったのがケッターサイクルです。類似品として、ストライダー14xへんしんバイクがありましたが、下記のような比較検討を得てケッターをえらびました。

 

①乗車時の姿勢(試乗できるかどうか)

②子どもの転倒や危険なシーンで親が子供を制止できるか

③小さい子供でも無理なく取り回しができるか

④在庫

 

誕生日プレゼントとして購入したのですが、上記①~④を満たすのはケッターのみでした。

 

へんしんバイクもケッターも中国で生産していたせいか、14インチはどこのお店にも在庫がなく、ホームページにあった販売店に片っ端から電話かけて、やっと手に入れた感じでした。(ストライダー14xはネットでも入手可能でした。)

 

へんしんバイク、ストライダーのホームページは、イベントの実施、乗車のコツ、製品PR等、コンテンツが充実しており、へんしんバイクは会社の理念もすごく伝わってくるものがあっため、当初購入第一候補とした経緯があります。

 

2社に比べ、玩具が主力であるピープルは、ケッターに割けるリソースが限られているだろうし、訴求力の弱さはいたしかたないかと思います。ただ、無鉄砲な我が子が道路に飛び出すことを防ぐのに一役買うであろう、「ママキャッチハンドル」なるものがついていたり、軽量で乗車姿勢が安定するように設計された車体など、後発らしく、かゆいところに手が届く商品にしあがっていました。販売店からの引き合いは強いのも納得です。

 

ピープル社への印象

二人の子供のために、数多の玩具を購入してきましたが、調べてみるとピープル社の玩具にもこれまでお世話になっていました。いわずと知れたポポちゃんやお米の玩具、やりたい放題シリーズなどがそれです。

 

我が家もお世話になっているということは、私たちでも良さを感じるほど、高い商品力があるのだろうと思うとともに、大変な市場に身を置いている会社だな、というのがこの会社への最初の印象です。

 

ピープル社のホームページ

調査の取っ掛かりとして、同社のホームページを拝見しました。デザイン的には正直、可もなく不可もないホームページといった感想でした。

ここで私が注目したのは、企業理念に記された「社員が共有すべき価値」の部分です。

 

HPより転載

バリュー(社員が共有する価値観)
1.最終的な価値を決めるのは消費者
  時代とともにどんどん変わっていく消費者と真摯に向き合い続ける
2.市場の主流・最大より、新しい挑戦
  既存商品からの差別化にとどまらず、独自の戦略で新しいモノ・コト・トキを生み出す
3.個性を集めた少数精鋭
  多用な知見を持ち寄ることで、誰も考えつかなかった新しいアイディアが生まれてくる
4.欺かない・貪らない・侮らない

 

私がこれを見て思った事は、「この会社は、知恵で勝負している会社だ」ということです。

少子化が進んでいるなか、競合ひしめく玩具業界で40年以上生き残ってきたのは、ぽぽちゃんという核をもちながら、果敢に新商品を投入し、消費者のニーズを満たしてきたのが要因だろうと思います。商品を企画する力、これを高めてきたのが同社の強みであり、同社の文化ともいうべき、社員が共有するバリューの内容が、そのことを物語っています。

 

財務等確認

玩具業界を見渡しても、同社の売上高経常利益率は高水準です。キャラクタービジネスや、ゲーム関連等に手を伸ばす他社に対して、低年齢児向け玩具と乗り物に絞った商品展開であり、非常に健闘しているという印象です。

(同業他社比較)

ピープル      
  売上高 経常利益 経常利益率
17.1 4723 544 11.5%
18.1 4265 462 10.8%
19.1 4146 421 10.2%
20.1 3748 286 7.6%
バンダイナムコ    
17.3 620061 63238 10.2%
18.3 678312 75024 11.1%
19.3 732347 84045 11.5%
20.3 723989 79797 11.0%
タカラ・トミー    
17.3 167661 7744 4.6%
18.3 177366 13199 7.4%
19.3 176853 14407 8.1%
20.3 164837 10204 6.2%
サンリオ      
17.3 62695 6904 11.0%
18.3 60220 5734 9.5%
19.3 59120 4786 8.1%
20.3予 59000 3980 6.7%

 

最大手であり同業他社のバンダイナムコは、利益率、財務共にピープルを上回っています。

このバンダイ(当時)とピープルは、バンダイの海外展開ノウハウと、ピープルの商品開発力を活かしあうことを目的に2005年に資本業務提携を結んでいます。現在どの程度この提携が両者の業績に寄与しているのかはわかりませんが、玩具市場においてかなり強固な立場を築いているといえるのではないでしょうか。

 

財務面でも、自己資本比率も8割を超え、有利子負債0と、財務も非常に優秀です。

これは、ファブレスメーカーとして生産を外部に委託し、頭脳としての従業員数も49人と、やるべきことを絞り、着実にコストをカットしてきた積み重ねが効いているのだと思います。

 

師の教え

私の師(勝手に言っている)である、与沢翼さんは、商流の大きさを否定し、着実に利益を出すこと、自分の頭で考え、付加価値を生み出すこと等を説いていらっしゃり、町名作家の本田健氏は、時代の流れを読むことの大切さを日頃から説いていらっしゃいます。ベンチャー企業を標榜し、「ビジネスとしての有意義な違い」を作り出すことを目指してきたピープル(以前の株主通信より)は、これらにぴったりと当てはまる会社なのではないかと思います。

 

さらに言えば、レッドオーシャンな玩具業界にあって、今後オンライン化が進んでも生き残っていくものが、まさにオンラインに乗りやすいゲーム関連以外に、この低年齢向けの玩具なのではないかと思っています。

見て触って、動かして。低年齢児はそうしたことの積み重ねで知能を獲得し、成長していくわけで、特に乳児、幼児の体験というのは、オンラインで代替しづらいのではないかと思います。元来この分野において、頭脳戦を繰り広げていた同社は、今後も強い優位性をもってレッドオーシャンを突き進んでいくのではないかと、勝手に妄想しております。

 

購入対象になりえるのか

と、ここまでポジショントークのような話を展開してきてしまいましたが、先ほどの表でおわかりのとおり、売上高については年ごとに変動しております。直近の売上高は過去4年で最低の数値であり、カテゴリー別にみても、乗り物以外のセグメントで前年度を下回る結果となっています。これをどう見るか。

おそらく今後も売上高については上下するでしょうが、純利益を生み出す体制、社員という名の頭脳は健在だと思いますので、赤字になることはないのではないかと思います。

 

純利益額が少しづつでも着実に伸びてくれる企業の方が買いやすいことは確かですが、

カテゴリーごとの月次は同社が公表してくれており、ある程度の業績予想は可能です。

 

同社の株価が割安に放置されるようなことがあれば、月次をチェックの上、拾ってみたいと思っています。