生き残る会社を見分けるために
コロナが問題となる前、企業の内部留保を労働者に還元せよと、とある政党の方々が声高に叫んでいました。
コロナ禍で多くの企業が苦しむ現在、この内部留保の有無が、企業の生死を分けることになりそうです。
利益率は生存率に直結?
そもそも、内部留保を積み上げられる企業≒売上高に占める経常利益率が高い企業だと思います。
私が毎日欠かさずチェックしている与沢翼さんも、動画の中で力説されていましたが、どんなに売上高が大きい企業であっても、利益率が低い会社は、今回のコロナショックだけでなく、原材料の高騰、店舗のオペレーションの問題等、色々な要素で業績が下振れし、赤字になりやすいため、内部留保を積み上げることは困難です。
一方、利益率も高く、自己資本も潤沢な企業については、今後2~3年が大きく飛躍するチャンスです。物件、人材、会社等、格安で手にはいる可能性があるからです。
それだけでなく、コロナがもたらしたオンライン化の加速により生まれる、新たなビジネスチャンスを掴むのも、こうした企業である可能性が高いと思います。
今後、廃業、倒産する企業が増える可能性がありますが、投資先を選ぶ際は、利益率の高さが絶対条件になると考えています。
付加価値を生む会社の要素
投資先を選ぶ基準として、利益率とともに注目していきたい点は、有利子負債率、IRの充実度、オンライン化への対応の3点です。(いずれも与沢さんが指摘しているもの)
有利子負債率
融資は借金であり、突き詰めれば自分のお金ではありません。
ただ、日本の中小企業の約7割が赤字ともいわれている現在、運転資金としても、設備資金としても融資を受けている会社というのは多いと思います。金融機関もコロナ前は採算の悪化に苦しんでおり、積極的に融資先を探していましたから、融資を受けること自体が、それほど悪いわけではないと思います。
しかし、与沢さんが熱量をもってこのようなことを語られました。
「人のお金を使う前に、自分の頭で考え、何とか少ないお金で、利益をあげることができないかを考えることが大切である。厳しい時ほど、コストカットを徹底し、1円でも利益をあげる努力をする必要がある」
経営者として様々なことを体験された与沢さんの言葉は、非常に重みがあります。
現在はコロナに起因して多くの企業が苦境を迎えていますが、今後このようなことが2度と起きないとは限りません。そのたびに、融資でしのぐというのは現実的ではありません。
オンライン化が加速し、情報やコミュニケーション、スキルが拡散するスピードが増す中で、何が企業の付加価値を生んでいくかといえば、アイディアであり、顧客を引き付けるデザインであったり、共感できるサービスであったりといった、人間の頭脳が生み出すものです。
頭脳戦を制する企業でないと、今後は生き残れないのです。
融資が効果的に活用される場合もなくはないかもしれませんが、融資が必要なほど、財務体質が弱かったり、固定費がかかる企業というのは、そもそも頭脳戦は不利であり、安易な延命に走る企業から頭脳戦を制するだけのものが生まれてくる可能性は低いと思います。
単なる資金繰りという側面だけでなく、頭脳戦を勝ち残るという意味でも、有利子負債の状況は、重要なチェックポイントになると考えます。
IRの質
与沢さんもおっしゃっていましたし、私が読んだ著書(2025年人は買い物をしなくなる)でも語られていましたが、今後は、「いかに共感を呼ぶか」が消費者の購買行動に影響することになりそうです。
あらゆるものがインターネットを通じて見て、聞いて、買える状況にあって、人々は数多の情報を処理し、行動を決定するのではなく、自分の価値観と会う人や会社のの発信内容をもとに、購買行動を決定するようになっています。
共感できる人が紹介するもの、共感できる企業が出す商品であれば、他の製品と比較せずとも信頼度の高い商品が選べるし、ある程度価格は平準化されているので、買いまわる必要性は低いからです。ただでさえ、魅力的なコンテンツがあふれる現代にあって、可処分時間を確保するためにも、買い物に時間はかけたくないという方が、どんどん増えていきそうです。
こうなると、消費者の共感や信頼をいかに集めるかが、企業も個人も問われるわけです。現状、企業の方が圧倒的に利益をだしていますが、今後は個人でも巨額の利益を出す人が増え、存在感を増していく可能性があります。
企業も、うかうかしている場合ではなく、株価を作る意味でも、自社のファンを獲得する意味でも、IRの強化は必須です。こうしたことに気づき、行動できているかどうかが、投資先の選択基準としても重要になってっくると考えています。
オンライン完結
オムニチャンネルとか、Eコマースとか、正確な意味もわからずこうした言葉を使ってしまっていますが、これらはネットで完結するわけではなく、リアル+ネットの世界です。今後は、完全オンライン完結のビジネスが潮流となる可能性が高く、形を変えていくビジネスも増えてくることでしょう。
エンターテイメントの世界や、教育、観光等、様々な分野でビジネスの変異が起こっていくと思うので、こうした変化が期待できる銘柄というのも、投資先の選択肢の一つだと考えています。
少し前に書いた記事から、銘柄選択の基準が変わってきていますが、日々考え変化させていきたいと思います。
こうした基準で見たときに、有望だと思われる銘柄もチラホラ発見しているので、タイミングをみて仕込んでいけたらと思います。